「Think and Thank」 坂本牧裕 牧師
わがたましいよ。主をほめたたえよ。
主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな。(詩篇103篇2節)
社会から隔離された生活をしていた10人のツァラアトという病気にかかった人たちは、遠くから大声で、イエスさまに助けてくださいと叫びました。そこでイエスさまは、「祭司のところに行って、見せなさい」と言われたのです。当時、ツァラアトという病気が治った場合、祭司から「きよめられた」と宣言をしてもらう必要がありました。しかし、彼らはイエスさまからの言葉を聞いたとき、まだ病気は治っていません。しかし、彼らは祭司のところに向かい、その道中で病が癒されたのです。
1、すべての人が治った
10人のツァラアトの病人の中には、サマリヤ人もいました。偶像の神を拝んでいることから、サマリヤ人はユダヤ人とはつき合いがありませんでした。しかしイエスさまは、サマリヤ人であっても、イエスさまのみ言葉を信じ、み言葉に従ったことで恵みを与えたのです。大切なことは、ユダヤ人であることサマリヤ人等ではなく、み言葉を信じて、み言葉に生きているかなのです。
2、一人だけが感謝をした
しかし、10人のツァラアトの病人は祭司のもとへ行く途中で癒されたにも関わらず、イエスさまのもとに戻ってきて、感謝をささげたのは一人だけ、しかもサマリヤ人でした。他の人たちは、もしかしたら祭司からの宣言をもらい、早く社会生活に戻りたいという気持ちが大きかったのかもしれません。イエスさまへの感謝よりも、自分の生活が優先されていたのです。
感謝は自発的なものではありますが、「感謝の心を持つ人になりなさい」(コロサイ3章15節)と聖書は語っています。これを「感謝の専門家」になりなさいと訳している人もいます。神さまのみこころは、私たちが「感謝のプロ」になってほしいということです。
オックスフォード大学のチャペルにThink and Thank という言葉が刻まれています。イエスさまは、私たちが恩知らず、恥知らずの生き方になってほしくない。神さまの恵みを思い巡らし、神さまに感謝をささげる生き方へと招かれています。
病気が癒されたことも奇跡ですが、遠く離れたところからイエスさまにお願いをしていただけの者が、感謝をもってイエスさまの足もとにひれ伏す生き方へと変えられたことが奇跡です。
イエスさまの恵みを1つ1つ考え、見つけて、一日の終わりに「ありがとう」の祈りを捧げる者へと私たちは招かれているのです。