「祈りをおしえて!」      坂本牧裕 牧師

さて、イエスはある所で祈っておられた。その祈りが終わると、弟子のひとりが、イエスに言った。「主よ。ヨハネが弟子たちに教えたように、私たちにも祈りを教えてください。」(ルカの福音書11章1節)

 

 

 

イエスさまが教えてくださった「主の祈り」の、初めのことば「天にまします」そして、最後のことば「アーメン」からお話します。

私たちが「天にまします」と祈るとき、私たちは生活のただ中にあっても、私たちの目を現実から天に向けさせてくれます。高いところにのぼれば、全体が見渡せますが、私たちの神さまは、もっともっと高い天におられ、天からの広い視野をもって、私達を見ておられます。

私たちは自分の視点でしかお祈りすることができませんが、「天にまします」と祈るとき、神さまの視点、「天」の視点があることに気づかせてもらえるのです。

祈りの最後には「アーメン」と言います。アーメンとは、「そのとおりです」という意味があります。しかしお祈りしたあと、祈ったことは偽りのない内容だったか、祈った言葉通りに生きているだろうかと問われると、自信をもってアーメンと言えなくなってしまいます。

また、主のみこころを伝える大事なときに、「アーメン、アーメン」と「まことに、まことに、あなたがたに言います」と語ってくれたのがイエスさまです。本来は、神さまの確かさを語ったイエスさましか語ることのできないのが、「アーメン」ということばです。

しかし、そういう不確かな私たちに、「アーメン」と祈りを教えたイエスさまは、私たちが「アーメン」と祈るとき、イエスさまは神さまの確かさをもって一緒に「アーメン」と言って下さるのです。

私たちは祈りを通して、現実の社会に生きる私たちの視点を天に向けさせてもらい、イエスさまと一緒に「アーメン」と祈る者として招かれているのです。